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有機合成化学、量子化学計算、時間分解レーザー分光を基盤として、高機能性フォトクロミック分子や有機ラジカルの開発を目指した物理有機化学の研究を行っています。

Aoyama Gakuin University

Department of Chemistry
Functional Material Chemistry Laboratory

研究設備Equipment

主要な物性測定装置

  • 核磁気共鳴装置(Bruker AVANCE III 400NanoBay)
    言わずと知れたNMRです。合成した有機化合物の同定に不可欠な装置です。
    Ultra Shield磁石が装備されているため漏洩磁場はほとんどありません。またサンプルチェンジャが装備されており、終夜運転で複数のサンプルを朝までに自動測定することができます。
  • 飛行時間型質量分析計(Bruker micrOTOFII-AGA1)& HPLC (HITACHI High-Tech. LaChromUltra)
    質量精度の信頼性の高い高分解能ESI TOF-MS(エレクトロスプレー飛行時間型質量分析計)であり、未知化合物の同定と定量を行うための優れた高性能質量分析計です。簡単に言うと分子量を測定する装置です。これも合成した有機化合物の同定に不可欠な装置です。さらに、右隣の超高速液体クロマトグラフ(HPLC)と接続することで、LC-MSとして使えます。ダイオードアレイ検出器(DAD)を採用していますので、各成分の分子量と吸収スペクトル(190nm〜900nm)を同時測定することが出来る優れものです。これで物質合成が一段と効率化します。
  • 単結晶X線結晶構造解析装置(Rigaku XtaLAB iniII)
    再結晶法で得られた良質な単結晶のX線解析を行うことで、分子構造や結晶中でのパッキングを明らかにするための装置です。低温装置が装備されており、100 K程度の低温から室温までの温度範囲で測定を行うことができます。
  • 電子スピン共鳴装置(JEOL JES-FA100)
    不対電子を有する常磁性分子の電子スピン共鳴(ESR)を測定する装置です。低温装置も装備しており、液体ヘリウム温度から100℃程度までの幅広い温度領域での測定が可能です。また、測定操作はもちろんのこと、データ解析もWindows上の専用ソフトウエアで行うことができます。
  • 走査電子顕微鏡(Hitachi SU3500)
    低真空SEM「SU3500形」は、電子光学系を一新し、二次電子像では加速電圧3kVで7nm、反射電子像では5kVで10nmという分解能を実現し、優れた観察能力をもつ新型SEMです。さらに新設計の信号処理技術により、速い走査速度においても、ノイズが少なく明るい画像の観察が可能となり、フォーカスや非点調整時における高い操作性が実現されてます。
  • イオンスパッタ(Hitachi MC1000)
    SEM観察前処理用のスパッタ装置です。マグネトロン電極の採用で試料をマイルドコーティングできます。
  • 走査型プローブ顕微鏡(Bruker Multimode-8 AFM)
    走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、試料表面を微小なプローブ(探針)で走査し、試料の三次元形状や局所的物性を高倍率で観察する顕微鏡の総称です。単結晶表面、フィルム表面やポリマー1本鎖を直接観察することができます。走査型トンネル顕微鏡(STM)測定や走査型電気化学電位顕微鏡(SECPM)測定のオプションもついています。
  • ポテンショスタット(Bruker Universal Bipotentiostat)
    走査型電気化学電位顕微鏡(SECPM)測定に使うポテンショスタットです。
  • ピコ秒過渡吸収分光システム(UNISOKU picoTAS)
    ピコ秒レーザー(パルス幅: 30 psec)を励起光源として、RIPT(リプト)法 (Randomly Interleaved Pulse Train Method) によって時間分解吸収スペクトルを測定する装置です。従来法では測定が難しかった 1 ナノ秒から 20 ナノ秒の「空白時間帯」を含む 100 ps 〜 ms の時間帯の過渡吸収測定ができます。さらに発光の影響を差し引くことができるため、発光性、非発光性試料を問わず、これまで観測できなかった反応系の過渡吸収信号を観測できます。
  • 近赤外対応ナノ秒時間分解分光測定装置(UNISOKU TSP-2000)
    ナノ秒レーザー(パルス幅: 5 nsec)を励起光源として、時間分解吸収スペクトルを測定するナノ秒レーザーフラッシュフォトリシスを測定する装置です。TSP-2000は世界で初めて紫外〜可視〜近赤外をワンクリックで測定でき、かつその全波長領域でナノ秒の時間分解能を有するシステムです。紫外・可視光領域では光電子増倍管を、近赤外光領域ではフォトダイオードを光検出器としています。分光器の回折格子(グレーティング)はコンピュータ制御されており、幅広い波長領域のスペクトルを自動測定することが可能です。
  • ICCD検出器(Andor Technology iStar DH320T-18U-03)
    イメージインテンシファイアCCDはナノ秒オーダーのゲートをかけることができるナノ秒分光測定用の光検出器です。ナノ秒パルスレーザーと組み合わせることで、シングルショットでナノ秒時間分解吸収スペクトル を測定することができます。同じくAndor社製のSR163イメージング分光器に取り付けてあります。
  • EMCCD検出器(Andor Technology Newton DU920P-OE)
    微弱光の短時間分光測定用に開発されたElectron Multiplying CCD(EMCCD)です。ラマン、蛍光、顕微分光等の様々な微弱光測定に使えます。同じくAndor社製のマルチチャンネル検出器用分光器Shamrock SR303iに取り付けてありますが、この分光器は3枚のグレーティングを搭載しており、幅広い波長領域で使用できます。
  • キセノンフラッシュランプ( Hamamatsu L2437)
    2マイクロ秒のパルス光を発振するキセノン光源です。出力は15 Wで、ナノ秒レーザー分光用のモニタ光として使います。ランプ、ソケット、シールドボックス、電源を合わせても13万円程度という安価で購入できます。これは便利です。
  • 時間分解マルチチャンネル測光システム(UNISOKU MSP-1000-V1)
    フォトダイオードアレイ検出器を用いた高速時間分解測定用のマルチチャンネル分光システムです。シングルショットで1ミリ秒間隔の連続スペクトル測定ができるすぐれものです。
  • ピコ秒Nd:YAGレーザー(EKSPLA PL2210A-1k)
    ピコ秒過渡吸収分光システム picoTASのピコ秒パルス励起光源です。発振器及び増幅器がLD励起で構成された全固体高エネルギー/高繰返しピコ秒Nd:YAGレーザーです。パルス幅は 28psec以下です。
  • ピコ秒光パラメトリック発生器(EKSPLA PG403-SH)
    高繰返し1kHz・低エネルギーで励起可能な光パラメトリック発振器です。安定した出力で紫外(210nm)から赤外(2300nm)までの広い波長範囲を発振できます。ピコ秒過渡吸収分光システム picoTASのピコ秒パルス励起光源です。
  • ナノ秒パルスNd:YAGレーザー(Continuum Minilite II)
    ナノ秒レーザーフォトリシスの小型励起光源です。出力は、基本波(1064nm)50mJ、第三高調波(355nm)8mJです。パルス幅は5nsecです。小型ですが、励起光源としては使い勝手のよいパルスレーザーです。
  • 高出力ナノ秒パルスNd:YAGレーザー(Continuum Surelite II)
    オプティカルパラメトリックオシレーター(Panther EX OPO)の励起光源用の高出力ナノ秒レーザーです。出力は基本波(1064nm)650mJ、第三高調波(355nm)170mJです。
  • ナノ秒オプティカルパラメトリックオシレーター(Continuum Panther EX OPO)
    高出力ナノ秒レーザー Continuum Surelite IIを励起光源とした、ナノ秒オプティカルパラメトリックオシレーター(OPO)です。近赤外光領域から紫外光領域の幅広い波長域をカバーしています。ナノ秒レーザーフラッシュフォトリシスやレーザーアブレーションによるナノ結晶作製用の光源として利用しています。出力は450nmのシグナル光で27mJです。
  • ナノ秒高エネルギーLD励起固体レーザー(Quantum Light Instruments Quantas Q1D-1064-SH-TH)
    小型かつ高効率なLD励起ナノ秒レーザーです。水を使用しない完全空冷を実現しており、LD励起の安定性も合わさり完全メンテンナンスフリーの優れモノです。パルス幅は8nsです。発振波長は1064nm, 532nm, 355nmで、それぞれの波長の最大出力は20Hz発振時で30mJ, 13mJ, 9mJです。
  • 紫外可視分光光度計(SHIMADZU UV-3600 Plus)
    紫外・可視領域に対してはPMT(光電子増倍管),近赤外領域に対してはInGaAs検出器と冷却PbS検出器を採用しています。 従来機では感度が低下するPMTとPbS検出器の切替波長域をInGaAs検出器でカバーすることによって測定波長域全体に渡って高感度化を達成してます。温度コントローラーも備えており、温度可変吸収スペクトルの測定が容易にできます。
  • マルチチャンネル小型分光器(BAS SEC2020スペクトロメーターシステム)
    分光電気化学測定をはじめ、様々な分光測定を可能にするマルチチャンネル分光器です。高機能なグレーティングにより、1台で紫外から近赤外(UV/VIS/NIR)までの広波長域を高感度に測定可能です。光源には小型モジュール化された重水素ハロゲンランプを使用します。分光器と光源にはSMA905コネクタが付属している為、各種光ファイバーやプローブを接続し、オリジナルの測定システムを構築する事も可能。
  • ファイバマルチチャンネル分光器(Ocean Optics Ocean FX)
    浜松ホトニクス製 S11639 CMOSを搭載した小型のファイバ入力式マルチチャンネル分光器です。200-1100nmに感度があり、特に紫外および近赤外において高感度です。露光時間は 10usから1sの時間範囲で設定できます。手軽に時間分解吸収スペクトルが測定できます。
  • ファイバマルチチャンネル分光器(Ocean Optics USB-4000)
    3648素子リニアシリコンCCDアレイを搭載した小型のファイバ入力式マルチチャンネル分光器です。200nmから850nmの波長領域のスペクトルを同時に測定することができます。積算時間は3.8msから10sの時間範囲で設定できます。手軽に時間分解吸収スペクトルが測定できます。
  • 重水素ハロゲン組み合わせ光源(バランスタイプ)(Ocean Optics DH-2000-BAL)
    215nmから2000nmまでの広範囲な光を高出力で安定して出力可能な重水素ランプとハロゲンランプの組み合わせ光源です。一つの出射光からハロゲンと重水素の連続光を出射します。ファイバ入力式マルチチャンネル分光器、温度制御キュベットホルダと組み合わせて使用します。
  • 円二色性分散計(JASCO J-820)
    円二色性分散計は、不斉な性質を持った有機・無機化合物が光を吸収するとき、左円偏光と右円偏光のどちらを吸収しやすいかを検出する装置です。その波長依存性(波長分散)から、不斉な有機化合物の絶対立体配置やペプチド鎖のコンフオメーションなど、不斉に関する様々な情報が得られます。クライオスタットも整備されており、液体窒素温度から室温まで温度を変えて測定することができます。
  • フーリエ変換赤外分光光度計(Bruker Optics Vertex70)
    優れた性能と拡張能力を備えた高性能FT-IRです。ステップスキャンやラピッドスキャン測定も可能で、ナノ秒領域から時間分解スペクトルが測定できます。また、PEMモジュール(PMA50)を装備しているので、振動円二色性(VCD: Vibrational Circular Dichroism)の測定ができます。DFT計算と併せて解析することでキラル化合物の絶対配置を決定することができます。
  • フーリエ変換赤外分光光度計(SHIMADZU IRAffinity-1)
    分子の振動スペクトル(赤外吸収スペクトル)を測定することで、分子構造に関する情報を得るための測定装置です。RAS法(高感度反射法)、ATR法(全反射法)による測定も可能であり、溶液試料や金属表面に形成した薄膜試料の測定もできます。
  • プローブラマン分光装置(TSI ProRaman-L-785-A3H)
    高感度冷却CCD検出器を備えた低ノイズ・高感度のプローブラマン分光装置です。プローブ部分はファ イバータイプになっており、簡単にサンプルまで取り回すことができます。面倒な設定も必要なく、すぐに ラマン測定が可能です。顕微鏡にセットすることで、顕微ラマン分光装置として使うことができます。励起レーザー波長は785nm (350mW) で、測定波数領域は250〜1800 cm-1です。
  • 分光蛍光光度計(JASCO FP-8500)
    溶液や固体薄膜の蛍光スペクトル(220 nm 〜 850 nm)を測定します。S/N比は300以上と高感度です。またダイナミックレンジも6桁以上あります。フィルタ内臓ですので、高次光は自動でカットしてくれます。
  • 積分球ユニット(JASCO ILF-835)
    分光蛍光光度計 FP-8500 の蛍光量子収率測定用オプションです。蛍光量子収率は、試料が吸収した励起光の光子数に対する、蛍光として放出された光子数の割合として定義されており、測定方法として、相対法と絶対法が知られています。絶対法では積分球を用いて試料から放出される蛍光を全て積分し検出することから、直接量子収率を求めることができ、より確かな量子収率測定が可能です。
  • 小型蛍光寿命測定装置(浜松ホトニクス Quantaurus-Tau C11367-21)
    サブナノ秒〜ミリ秒の蛍光寿命を測定する装置です。励起光源や検出器、光学系などを一体化した1BOX型の測定装置で、サンプルをセットし、励起光源の選択など数項目の指示をするだけの簡単操作で、高精度な蛍光寿命・PLスペクトルを測定することができます
  • 絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス Quantaurus-QY C11347-01)
    フォトルミネッセンス法により、発光量子収率の絶対値を瞬時に測定する装置です。 サンプルホルダをセットし、計測ソフトウエアに数項目の指示を入れるだけで、発光量子収率や励起波長依存性、PL励起スペクトルなどを短時間で測定します。基本的な測定ならば、1分ほどで解析結果までを導き出すことが可能です。
  • 光反応評価装置(SHIMADZU PQY-01)
    光化学反応プロセスによるスペクトル変化をリアルタイムにモニタリングすることができる装置です。試料への照射フォトン数、試料が吸収したフォトン数を計測してくれますので、光照射に伴う吸光度変化から光反応量子収率を手軽に求めることができます。光照射には出力が安定しているLED光源を使います。波長のラインナップは、365nm、460nm、550nm、660nm、730nmと紫外光から近赤外光まで幅広い波長領域をカバーしています。
  • Optical NanoGauge 膜厚計(浜松ホトニクス C13027-01)
    分光干渉法を利用した非接触の膜厚測定装置で、最薄10 nmの極薄膜測定が可能です。また、10 nm〜100 μmと幅広い膜厚測定ができます。
  • 分光用クライオスタット(UNISOKU CoolSpek UV/CD)
    小型分光用クライオスタットです。冷媒として液体窒素を使うことでー80℃まで冷却できます。また高温制御ユニットを備えているので高温側は100℃まで加熱できます。減圧操作が必要な通常のクライオスタットの構造とは異なり、発砲ウレタン断熱構造になっています。低温測定時には光学窓の結露防止用ヒーターを使います。簡単に温度可変スペクトルが測定できます。治具を交換することにより、いろいろな分光装置に取り付けが可能です。
  • 温度制御キュベットホルダ(Ocean Optics CUB QPOD)
    ファイバ入力式マルチチャンネル分光器用の温度制御キュベットホルダです。−30℃から105℃の温度範囲を±0.05℃の精度で設定できます。本体にはペルチェ制御装置、マグネチックスターラー、コリメートレンズ、SMA905コネクタが含まれています。乾燥窒素をフローすることで低温でも使用できるので便利です。
  • 液体窒素バス式光学測定用77Kクライオスタット(Oxford Instruments OptistatDN)
    分光測定用クライオスタットで、測定試料を77K-500Kの温度範囲で制御することができます。約20分で77Kまで冷却することができます。トップローディング方式のサンプルプローブにより、わずか5分で試料交換可能です。
  • 極低温分光用クライオスタット(日本サーマルエンジニアリング JHCS-HK-4.2-005)
    光学窓を備えた極低温用分光用クライオスタットです。液体ヘリウムを注入することなく、4.2Kから室温まで温度調節することが可能で、FT-IRスペクトルや紫外可視吸収分光スペクトル測定ができます。床上設置タイプの場合には、装置の振動がノイズになってS/N比の高いスペクトルが得られませんが、吊り下げタイプを採用しているために、優れたS/N比を実現しています。
  • 高圧光学セルシン・コーポレーション PCI-500)
    分光分析装置の試料室に取り付けて500 MPaまで高圧分光分析(紫外可視吸収測定)を行う光学測定セルです。特に、ナノ秒時間分解分光システムと組み合わせることで、高圧下でのナノ秒レーザーフォトリシスの測定が可能になります。また内蔵の恒温水循環配管により温度制御も可能です。増圧器付小型高圧ハンドポンプ(HP-500)で圧力をかけます。
  • ナノ粒子解析装置 nano Partica(HORIBA SZ-100-Z)
    動的光散乱式(DLS)粒子径分布測定装置です。0.3nmから8000nmまでのワイドダイナミック測定レンジです。粒子径10nm以下のシングルナノ粒子測定も可能であり、タンパク質1分子やグルコース1分子でも分子サイズを計測することが可能です。またコロイド粒子界面の性質を評価する上で重要なゼータ電位(界面動電電位)の測定もできます。
  • MicroPoint MOSAIC2(Photonic Instruments)
    MEMSデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)により、同一視野に複数箇所、任意の形状の領域に同時に回折限界に近い解像度で光刺激を与えることが可能です。例えば、細胞内の特定領域のみに光刺激を与えることができます。照射光の最少パルス幅は60ミリ秒です。フォトクロミック分子の蛍光スイッチ性能評価に利用します。Olympus システム偏光顕微鏡BX51に組み込んで使用しています。
  • システム偏光顕微鏡(OLYMPUS BX51)
    液晶相の同定を行うために使います。測定試料を2枚の直交した偏光子の間に置き、観察すると液晶性物質特有なテキスチャーを見ることができます。化学と縁のない人でも、その絵画のような美しさに惹きこまれます。
  • 顕微鏡用冷却加熱ステージ(Linkam Scientific Instruments 10002L)
    光学顕微鏡へ取り付けることにより顕微鏡下の試料を温度制御しながら、その試料の冷却・加熱による変化の顕微鏡観察ができます。−200℃から+600℃までの温度範囲を制御できます。
  • デジタルマイクロスコープ(Keyence VHX-6000)
    凹凸のある対象物もピントが合った観察を実現する深度合成&3D表示機能、照明切換え機構など、デジタルマイクロスコープならではの拡大観察に便利な機能を搭載しています。
  • 分子間相互作用定量QCM装置(initium Affinix QN μ)
    水晶振動子の電極表面に物質が付着するとその質量に応じて共振周波数が変動する性質を利用し、極めて微量な質量変化を計測する質量センサーです。QCMはQuartz Crystal Microbalance(水晶天秤)の略です。酵素反応の実時間追跡やポリマー評価に利用します。
  • ポテンショ/ガルバノスタット(Metrohm Autolab B.V. μAutolabIII)
    汎用的な電気化学分析装置です。すべての標準的なDC-電気化学的手法に使用することができます。アナログ積分器、アナログおよびデジタル入力、アナログおよびデジタルデジタル出力を内蔵してます。ファイバ入力式マルチチャンネル分光器と組み合わせることで分光電気化学測定ができます。
  • ホログラム光学系
    ホログラム実験の光学系です。標準的なセットアップです。コヒーレント長の長いレーザーがあれば、物体光と参照光の光路長差については、それほど気にする必要はありません。
  • 光学除振台(Newport RS4000)
    ホログラム実験や走査型プローブ顕微鏡用の光学除振台。チューンドダンピング内臓ですので、周りの振動を拾いません。精密光学実験には不可欠な除振台です。
  • 青色半導体レーザー(CrystaLaser DL-405-050-S)
    波長405nm、出力50mWの青色半導体励起固体レーザー(DPSS: Dode-pumped solid-state laser)です。ホログラム書き込み用のシングルモードレーザーです。コヒーレント長は数十mあります。いろいろなメーカーを探しましたが、青色領域の405nmで、出力が50mW以上のシングルモードレーザーはほとんどありません。
  • 赤色半導体レーザー(Omicron LuxX642-140)
    波長642nm、出力140mWの赤色半導体励起固体レーザー(DPSS: Diode-pumped solid-state laser)です。ホログラム読み出し光として利用しています。出力はパソコンから制御できるので便利です。こちらのレーザーはマルチモード発振タイプです。ホログラムの読み出し光についてはコヒーレント長は関係ありません。
  • 紫外半導体レーザー(Coherent Genesis CX355 100SLM AO)
    波長355nm、出力100mWの紫外光励起半導体レーザー(OPSL: Optically Pumped Semiconductor Laser)です。Genesis CX 355-100 SLM AO は、面発光半導体に波長変換素子を組合せた100mW 紫外レーザシステムです。特徴は小型ながら縦単一周波数発振を実現している点と、アルミニウム・フリー半導体を使用することで、長寿命化を図っている点が挙げられます。優れた安定性を兼ね備えており、ホログラム書き込み用に使っていますが、紫外ラマン分光用光源としても利用できます。
  • 光検出器ユニット(SCIENTEX M100-APD-A-3-D)
    高感度のアバランシェフォトダイオードを受光素子として電源と専用アンプを内蔵した光検出器です。高速フォトクロミック分子を使った実時間ホログラフィーの実験で書き込み光と一次回折光を2台の光検出器で同時に検出することで、光応答速度を評価することに利用しています。検出波長範囲は200nmから1000nmで、サンプリング周波数帯域幅はDC-10MHzです。信号は高速データロガー(Graphtec midi LOGGER GL900-4)で収集します。
  • 高速4チャンネルデータロガー(Graphtec midi LOGGER GL900-4)
    フォトダイオードからの信号を高速サンプリングや長時間収録するための高速データロガーです。最速で10マイクロ秒でデータサンプリングできる優れものです。4チャンネルまで同時入力できますが、われわれはホログラム実験の書き込み光と一次回折光の信号を同時に取得するのに利用しています。大変重宝しています。

その他

  • 量子化学計算用ワークステーションHPC5000-XCL216TS-D8
    量子化学計算プログラム Gaussian 16 を使って分子設計や電子状態解析を行うための高速ワークステーションが7台整備されてます。
    CPU: Xeon Gold 6254 2CPU (3.1GHz, 18Core/CPU)
    メモリ: 384 GB
    HDD: SATA 3TB
    OS: CentOS 7.4
  • フロー型グローブボックスGBJF080(株式会社グルーブボックス・ジャパン)
    不活性雰囲気下で不安定物質を扱ったり、電気化学測定を行う時に使います。不活性ガス循環精製装置(GBJPWS1A)が装備されていますので、酸素濃度 1 ppm以下、露点温度 5 ppm以下にすることができます。
  • 中圧分取液体クロマトグラフ(山善 EPCLC-W-Prep2XY 10UV)
    溶出位置制御自動設定の中圧分取液体クロマトグラフです。2チャンネルタイプですので、同時に二人が独立に使用できます。一人での使用では、2台分の分取精製能力を発揮する優れものです。さらに、TLCイメージリーダーが搭載されており、TLCプレートをセットすることで、分離条件を自動で設定してくれます。これで分離精製作業が大幅に効率化します。
  • リサイクル分取HPLC(日本分析工業 LaboACE LC-5060)
    高速分取GPCカラムJAIGEL-2HRを搭載したリサイクル分取高速液体クロマトグラフィーです。リサイクル法を用いることで、カラムから溶出した分離不十分な成分を、何度もカラムを通すことにより、実際には長いカラムを使用したことと同等となり、高分離能を得ることができます。リサイクル中は溶媒を一切消費しない為、効率的に分離能力を向上させる究極の分離・分取手段です。これで分離精製作業が大幅に効率化します。
  • リサイクル分取HPLC(JASCO PU2086・RI203)
    リサイクル分取可能なタイプで、2本の分取用GPCカラム(日本分析工業製:JAIGEL-1H、JAIGEL-2H)が装備されており、目的物質の単離生成に威力を発揮します。また、光学分割用キラル分取カラム(ダイセル:CHIRALPAK-IH)を装備した装置もあり、こちらではラセミ体の光学分割を行ないます。もちろん通常のHPLCとしても利用しています。
  • 高速液体クロマトグラフ(JASCO PU-4580, MD-4010
    1024chのフォトダイオードアレイ(PDA)検出器MD-4010を装備した分析用HPLCです。重水素ランプとタングステンランプを内蔵しており、190nmから900nmの波長範囲で検出できます。
  • 高速液体クロマトグラフ(JASCO LC2000 Plus)
    1024chのフォトダイオードアレイ(PDA)検出器MD-2018を装備した分析用HPLCです。重水素ランプとタングステンランプを内蔵しており、190nmから900nmの波長範囲で検出できます。
  • ロータリーエバポレーター(EYELA N-1100V-W)
    熱減圧することにより溶媒を気化して溶液を濃縮する装置です。実験台下に収容できるビルトインタイプの冷却水循環装置(CA-1310)と大排気量の溶媒回収ユニット(DPE-2120)を備えているために、作業台スペースを有効利用して2台同時使用が可能です。真空制御装置付きですので突沸しません。暗室にも設置されており、光に不安定な化合物を取り扱うのに便利です。
  • パーソナル有機合成装置(EYELA CCX-1000)
    有機合成の効率アップのために開発された12連式の合成装置です。還流、ガス置換、加熱、攪拌機能を標準装備した優れモノです。耐圧封管反応ガラス容器を利用することで加熱還流装置を組み立てることなく、手軽に有機合成を行うことができます。
  • パーソナル有機合成装置(EYELA PPS-5511)
    多彩な液相応用研究を迅速かつ効率的に行なえる5連式の有機合成装置です。温度設定が個別に行なえるので異なる温度条件での合成実験が一度に行なえます。冷却水マニフォールド、加熱・冷却、撹拌機能を装備、合成スケール0.5〜60mL、容器のサイズ、種類を変更・追加して自由な組合せが可能で、縮重合、封管反応、加圧反応などに対応します。
  • 真空検体乾燥機(EYELA VOM-1000A)
    試料を減圧下で乾燥させる装置です。エバポレータで溶媒をとばした後のサンプルや、再結晶で取り出した結晶などの乾燥に使います。サイズが大きいので便利です。室温から200℃までの温度範囲を設定できます。
  • マグネチックスターラー付低温恒温水槽(EYELA PSL-1800)
    −80℃から20℃の温度範囲で低温合成反応実験ができます。ドライアイスを使用することなく、リチオ化やグリニアール反応などの低温合成実験ができます。
  • LDLS白色光源Energetiq EQ-99X-FC-S-NA
    レーザー励起プラズマ光源 LDLS白色光源です。高輝度、紫外DUV〜近赤外NIRの光波長域、微小点発光、長寿命、高安定性といった特長を合わせ持つ、従来にない理想 的な白色ランプ光源です。
  • 光反応用LED光源(朝日分光 CL-1501)
    光反応用のハイパワーLED光源です。紫外から近赤外までの幅広い波長に対応しています。
  • UV-LEDスポット光源(浜松ホトニクス Lightningcure LC-L1V5)
    浜松ホトニクス製のUV-LED光源です。フォトクロミズムの研究を行う上での必需品です。
  • ハイパワーUV-LED照射器(KEYENCE UV-400)
    LED方式の紫外線(波長 365nm)照射装置です。最高照度は2600mW/cm2とハイパワーで、フォトクロミズムの研究を行う上での必需品です。ランプ交換の手間がなく、半永久的に使えるので優れたコスト・パフォーマンスを備えた逸品です。
  • ソーラーシミュレータ(朝日分光 HAL-320W)
    省スペース、ライトガイド照射式のAM1.5G疑似太陽光源です。太陽光に近いスペクトルが実現されています。
  • キセノン光源(朝日分光 LAX-Cute)
    文字通りキセノン光源です。キュートというほどのものでもありませんが、コンパクトな体裁です。反射ミラーとフィルターを交換することで、いろいろな波長を選択することができます。
  • キセノン光源(朝日分光 LAX100)
    こちらも文字通りキセノン光源です。可変NDフィルターを備えているため、照射強度を連続的に調節することができます。反射ミラーとフィルターを交換することで、いろいろな波長を選択することができます。
  • 簡易型スピンコーター(Aiden SC2005)
    高速に回転する円盤上にガラス基板などをセットし、その上にポリマー溶液をたらすことで、均一な厚さのポリマー薄膜を形成する装置です。溶液濃度と回転数を調節することで、数十ナノメートルからマイクロメートル程度の厚さの薄膜を作成することができます。
  • 卓上遠心機 (コクサン H-36)
    遠心分離機です。
    最大回転数:6000rpm
    最大遠心力:5070G
    最大処理量:1,080mL
  • ウルトラミクロ天秤(Mettler-Toledo XP6V)
    分析用天秤です。最少表示は1μgです。
  • 防爆冷蔵庫(日本フリーザー EP-351FR)
    化学物質保管用の防爆冷蔵庫です。
  • 液体窒素デュワー(Taylor-Wharton LD-10, LD-25 with Liquid Withdrawal Device
    液体窒素を保存する容器です。Taylor-Wharton社製の自己加圧式デュワーです。コックをひねるだけで液体窒素がでます。重いデュワーを持ち上げる必要がないので安全です。

バナースペース