PROF. MICHIO KOBAYASHI


小林迪夫 (教授、理学博士)

経歴

 1973年東京工業大学大学院化学専攻博士課程修了後、2年間西ドイツのダルムシュタット工科大学有機化学研究所 (理論有機化学部門,Rolf Gleiter教授)の客員研究員。帰国後、東京工業大学工業材料研究所技官、長岡技術科学大学化学科助手・助教授を経て、1997年4月から青山学院大学理工学部化学科教授。


担当講義

化学V(熱力学、学部2年)
量子分子化学(物理化学C)(量子力学・統計熱力学,学部2年)
分子分光学(物理化学D)(量子化学・分子分光学,学部2年)
計算機基礎実習(FORTRAN,学部2年)
物理化学実験(学部2年)
教職化学実験 
化学輪講T,U(学部3,4年)
化学A・B(第二部)
物理化学特論T(大学院)
化学特別輪講T,U(大学院)

所属学会

日本化学会,日本液晶学会

研究に対する抱負

複数の分子間相互作用が関与した協同現象を配向分子系で少しでも多く発見し,生命現象の解明に寄与できればと思っています。

研究の哲学・方針・概要

 "化学現象は分子間相互作用の諸形態の現れである"−この信念が私の研究方針の底に流れる通奏低音です。化学現象の面白さ・奇妙さは,化学現象が孤立分子の性質だけでなく,分子集合系としての特性である分子間相互作用を反映していることに起因している。分子集合系の中で起こる化学現象は複数の分子間相互作用が同時に関与した協同現象の形をとることが多く,その最も複雑なものが生命現象である。現在,孤立分子と分子集合系との間には理解の仕方と精度に関し極めて大きなギャップが存在している。このギャップを埋めるためには,孤立分子について得られた知識・方法論を再統合して,協同現象に関わる複雑な分子間相互作用をも扱い得る方法論としての全く新しい独創的な一般則を生み出すことが必要であろう。私自身もこのことを常に肝に銘じつつ,さりとて天才みたいに天からの啓示を得ることは不可能なので,"一つの物質の中に全ての真理が宿る"ことを信じて,一つの物質が関わる化学現象と悪戦苦闘する中で,どんな些細なことでもよいから何らかの一般則を見出そうとたゆみなき考察を執拗に繰り返しながら研究を行っているつもりです。 分子間相互作用は分子の配向に強く依存し,方向性・異方性を有する。従って,複数の分子間相互作用が関与した協同現象が出現するためには,分子集合系は何らかの規則的な分子配向状態を有することが必須である。その様な配向した分子集合系として,リオトロピック液晶が各種生体機能に関連して現在特に注目されている。光合成における明反応,好気姓呼吸,視覚現象などの現象は生体の液晶構造に由来している。しかし,これら液晶の機能の背後に在る電子的・分子的機構の研究は殆どなされておらず,液晶の分子配向状態と,それに起因した分子間相互作用の方向性や機構を分子構造論的な立場から解明する基礎的な研究が重要となっている。 以上のように,規則的に配向した分子集合系の中で起こる協同現象の発現機構を分子間相互作用の観点から解明することは、各種生体機能の人工的再構築や機能性材料の開発を目標としている現代化学の基礎的な重要課題である。我々の研究室では、この重要課題に挑戦することを視野に入れて、液晶やLB膜などの配向した分子系における分子間相互作用と分子配列に関する分光学的研究を構造化学的な立場から進めている。

趣 味

ピアノ演奏(ただし自己流),ハーモニカ(半音を出せるもの)演奏,フルート演奏(少々)

〔ピアノ演奏の流儀〕琴線に触れる単純なメロデーの変奏。
  自分の心の叫びを表現するメロデーを生み出せればとも思っている(現在一つ在る)

〔好きな演奏(変奏)曲目〕
  故郷,白い花の咲く頃,からたちの花,仰げば尊し,荒城の月,五木の子守唄,
  月の砂漠,帰れソレントへ,北帰行,惜別の歌,初恋,知床旅情,真白き富士の嶺,
  椰子の実,浜辺の歌,叱られて,ステンカラージンの歌,人形の家(弘田美枝子),
  懺悔の値打ちもない(北原ミレイ),越後獅子(美空ひばり),
  水色のワルツ(高木東六作曲),別れの歌(ショパン)・パガニーニの主題による狂詩曲
  (ラフマニノフ)(主題のみを正に自己流で)




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