青山学院大学理工学部化学・生命科学科

杉村研究室

(生体機能分子合成研究室)

 
 
 

 

 当研究室では,天然から発見された新規な有機化合物の合成や,新しい合成反応の開発とその活用法について研究しています。天然物合成の主な目的としては,自然界から得られるよりも大量に供給することによって,その化合物の生体における機能を詳細に調べることを可能にし,さらにその構造と生物活性の関係を明らかにすることで,もとの天然物よりも優れた機能を持つ分子の創製を実現することなどがあります。また,新しい合成反応の開発は,複雑な分子構造を効率よく構築するために,新しい工夫を取り入れた反応を生み出すことを目的としています。


研究生活

 ある有機化学者がこんなことを書いています。「人生には悪い日もあれば,いい日もあって,だいたい半々でやってくる。しかし,有機化学の研究では95%以上が辛い日で,残り数日のいい日のために成功を信じて生きているようなものだ。」かなりオーバーな表現ですが,満足のゆくデータを得るために何度も同じ実験を繰り返さなければならないこともありますので,そういった意味では的を射ているかもしれません。一つ実験をすれば確実に一歩進むというものではありません。しかし,一歩先に進んだときの喜びは,苦労も多いだけに大きいのです。研究生活に入ったら,何よりも優先して実験に費やす時間を確保するといった心構えが必要です。


研究概要


*生理活性物質の合成:未だ人の手によって合成されたことのない天然物の初の全合成,自然界からは入手が容易でないためにその性質が詳しく調べられていない天然物の合成,新たな機能の創製を目指した分子設計と合成を検討しています。


*新規反応の開発: 天然物の構造中に存在する不斉炭素上の立体化学を効率よく構築するための分子内反応について検討しています。

研究室紹介